「今年は会計をお願いします。」
そう頼まれて、何から手をつければいいのか分からず、不安になっていませんか。
安心してください。会計の仕事は、「記録する」「領収書を残す」「年度末にまとめる」の3つが軸です。年度末に作る収支計算書は、表1枚。この記事の途中から、そのまま使える無料のExcelテンプレートもダウンロードできます。
先に結論
- 会計の仕事は、記録・領収書・年度末のまとめの3つです
- 収支計算書は「入ってきたお金と出ていったお金を、予算と並べた表」。無料テンプレートあり
- 会計監査で見られるのは、残高・領収書・金額の合計・使い道の4つ
- つまずきの原因は、たいてい立て替え・現金・個人名義の口座。仕組みで防げます
無料テンプレートで、まず全体像をつかむ
文章で読むより、表を見たほうが早いこともあります。先に、Excelのテンプレートをご用意しました。
- 黄色の欄に「予算額」と「決算額(実際の金額)」を入れるだけで、差額・合計・次年度繰越金が自動で計算されます
- 会計担当と会計監査の方の署名欄つきです
- A4用紙1枚にそのまま印刷できます。Googleスプレッドシートでも開けます
収支計算書テンプレート(Excel)を無料でダウンロードする
使い方は、このあとの「収支計算書ってどんなもの?」で記入例と一緒にご説明します。
なぜ、会計報告が大切なの?
会費や補助金で運営するクラブにとって、会計報告は「お預かりしたお金を、何に使ったか」をお伝えする大切な機会です。きちんと報告されていれば、保護者の方も安心して会費を払えます。
部活動の地域移行(地域展開)で生まれる地域クラブでは、さらに大切になっています。文部科学省が2025年12月に示したガイドラインでは、市区町村が地域クラブを認める「認定地域クラブ活動」という仕組みができました。認定のときには、お金の管理が正しく行われていて、関係者に内容を公開しているかも確認されます。
(出典:文部科学省「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」)
会計の仕事、1年間の流れ
- 予算案をつくる
前の年の実績と今年の活動予定から、入るお金と出るお金の見込みを立てます。 - 総会で予算を認めてもらう
- お金の出入りを、そのつど記録する
出納帳(すいとうちょう)に、日付・内容・金額・残高を書いていきます。 - 領収書・レシートを必ず残す
誰かが立て替えたお金も同じです。 - 年度末にしめる
通帳と手元の現金の残高が、記録と合っているかを確かめます。 - 収支計算書をつくる
予算と実際の金額を、項目ごとに並べます。 - 会計監査を受ける
会計担当ではない方に、記録と領収書を確認してもらいます。 - 総会で報告して、認めてもらう
あわせて、次の年の予算案もお示しします。
大変なのは「3」と「4」です
年度末の作業が重くなるかどうかは、1年間の「3. 記録」と「4. 領収書」をどれだけこまめにできたかで決まります。逆にいうと、ここさえ楽にできれば、会計の仕事は一気に軽くなります。
収支計算書ってどんなもの?
収支計算書は、1年間のお金の出入りを「入ってきたお金(収入)」と「出ていったお金(支出)」に分けて、予算と実際の金額を並べた表です。
収入の主な項目
- 前の年からの繰越金:前の年の収支計算書の「次の年への繰越金」と同じ金額になります
- 会費:会員や保護者の方から集めた会費
- 補助金・助成金:自治体などからの補助
- 寄付金・協賛金
- その他の収入:預金の利息など
支出の主な項目
指導者へのお礼(謝金)、施設の利用料、保険料、用具・備品、大会の参加費、交通費、通信・事務の費用、会議の費用、予備費 など。
項目はクラブの活動に合わせて変えてかまいません。ただし、予算と実際の金額で同じ項目を使うこと、毎年同じ項目で比べられるようにすることの2つを守ると、ぐっと分かりやすくなります。
記入例
分かりやすくするための仮の数字です。
| 項目 | 予算 | 実際 | 差 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| 前の年からの繰越金 | 40,000 | 40,000 | 0 | |
| 会費 | 360,000 | 348,000 | −12,000 | 途中で1人退会 |
| 補助金・助成金 | 120,000 | 120,000 | 0 | 〇〇市から |
| 収入の合計 | 520,000 | 508,000 | −12,000 | |
| 指導者へのお礼 | 270,000 | 264,000 | −6,000 | 雨で2回中止 |
| 施設の利用料 | 60,000 | 58,500 | −1,500 | |
| 用具・備品 | 40,000 | 46,200 | 6,200 | ボールを追加で購入 |
| 大会の参加費・交通費 | 50,000 | 47,800 | −2,200 | |
| 通信・事務の費用 | 30,000 | 28,400 | −1,600 | |
| 予備費 | 30,000 | 0 | −30,000 | |
| 支出の合計 | 480,000 | 444,900 | −35,100 | |
| 次の年への繰越金 | 40,000 | 63,100 | 収入の合計 − 支出の合計 |
予算と大きく違った項目には、メモ欄に理由をひとこと書いておきましょう。総会で質問されても、あわてずに答えられます。
会計監査では、ここを見られます
会計監査は、会計担当ではない方2人ほどにお願いするのが一般的です。主に、次の4つを確認してもらいます。
- 通帳と手元の現金の残高が、記録と合っているか
- すべての支出に、領収書やレシートがそろっているか
- 収支計算書の金額が、記録の合計と合っているか
- 予算で決めた使い道から、大きく外れた支出がないか
ふだんから記録と領収書をそろえておけば、監査はあっという間に終わります。
つまずきやすいところと、その防ぎ方
立て替えたお金の記録もれ
役員や指導者の方が立て替えたお金を、返したのに記録し忘れることがあります。「申請 → 確認 → お支払い」の流れを決めて、領収書と一緒に記録しましょう。
残高が合わない
現金で受け取った会費の書きもれが、よくある原因です。会費は口座やオンラインで受け取ると、照らし合わせがとても楽になります。
個人名義の口座で管理している
担当が替わるたびに引き継ぎが大変になり、トラブルのもとになります。必ずクラブ(団体)名義の口座をつくりましょう。
年度末にまとめて記録しようとする
時間がたつと記憶があいまいになり、ミスが増えます。月に一度は、記録と残高を確認する習慣をつけると安心です。
報告するときのコツ
- 総会の資料には、収支計算書と監査の報告をセットで載せましょう
- 総会に出られなかった方にも、資料を配るかデータで共有しましょう
- 指導者へのお礼など、個人が特定できる内容は、必要な範囲にとどめましょう
手作業から Clan に移すと、何が変わる?
ここまで見てきた「記録」「領収書」「年度末のまとめ」は、どれも気をつけて続けるのが大変な作業です。この負担を軽くするのが、団体運営アプリ「Clan(クラン)」です。
| 今までのやり方(手作業) | Clan に移すと | |
|---|---|---|
| 会費の記録 | 通帳と照らし合わせて、ノートやExcelに転記する | カードや銀行振込で払われると、自動で記録される |
| 立て替えたお金 | 領収書を預かって、手で記録する | レシートの写真つきで、スマホから申請。承認・精算まで記録が残る |
| 決済手数料の処理 | 毎回、手計算で仕訳する | 支出として自動で計上される |
| 年度末の収支計算書 | 1年分の記録を集めて、表に転記・計算する | 会費と支出を集計して、印刷・PDFでそのまま出力できる |
| 担当が替わるとき | 帳簿と領収書の束を引き継ぐ | 管理の権限を移すだけで、記録ごと引き継げる |
つまり、「年度末にがんばる」仕事が、「ふだんの入力が、そのまま報告書になる」仕事に変わります。
費用についてのご案内
経費精算・支出管理は、マックスプランでは標準、スタンダードプランでは月額550円(税込)のオプションでお使いいただけます。会費の集金と記録は、10名まではフリープラン(月額0円)で、クレジットカードの登録なしで試せます。
最初の一歩は、小さくて大丈夫です
いきなり仕組みを変えなくても、できることから始められます。
- 今日:上のテンプレートを開いて、去年の数字を入れてみる(全体像がつかめます)
- 今月:領収書を1か所にまとめる箱かファイルをつくる
- 来月:会費の集金と記録だけ、Clan で試してみる
Clan を無料で始めることができます。スタンダードプランは、14日間無料でお試しいただけます。
会費の決め方・集め方は「地域クラブの会費は月いくら?国の目安と、無理のない決め方・集め方」で、地域クラブでの使い方は「部活動の地域移行・地域クラブの方へ」でご紹介しています。