「会費って、いくらにすればいいんだろう。」
地域クラブの担当になった方が、最初にぶつかる壁がこれです。学校の部活動では、会費を集める機会はほとんどありませんでした。迷って当然です。
国が示している目安は、月1,000〜3,000円程度。ただ、本当に大切なのは金額そのものより、「なぜその金額なのか」を説明できることです。
先に結論
- 国の目安は月1,000〜3,000円程度。ただし「必ずこの範囲」という決まりではありません
- 決め方は、相場より「1年間にかかるお金」からの逆算が、いちばん説明しやすい
- 集金の悩み(確認・催促・引き継ぎ)は、仕組みにまかせればほとんど解決できます
- 全部を一度に整えなくて大丈夫。小さく始めて、あとから整えるのが成功のコツです
国の目安は「月1,000〜3,000円程度」
スポーツ庁は、休日に週1回・月4回ほど活動する場合の参加費のイメージとして、月額1,000円〜3,000円程度を示しています。
(出典:スポーツ庁「FAQ」質問11)
ただし、これはあくまでイメージです。活動の回数や種目、地域の事情によって、月数百円のクラブもあれば、4,000円ほどのクラブもあってよいとされています。自治体の判断で、参加費を集めずに運営する場合もあります。
知っておきたい「安く」の条件
市区町村が地域クラブを認める「認定地域クラブ活動」では、運営に必要な範囲で、できるだけ安い参加費にすることが条件のひとつです。国は、経済的に苦しいご家庭への支援を含む補助金もつくるとしています。補助の内容は自治体ごとに違うので、市区町村の窓口に一度たずねておくと安心です。
(出典:スポーツ庁「FAQ」質問6、文部科学省「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」)
金額は「1年間にかかるお金」から逆算する
「近くのクラブがこのくらいだから」と相場で決めると、保護者の方に聞かれたとき、答えに困ります。
1年間に必要なお金から計算しておけば、「この内訳で、この金額です」と胸を張って説明できます。 手順は3つだけです。
- 1年間にかかるお金を、項目ごとに書き出す
- 補助金など、会費以外に入るお金を引く
- 残りを人数で割って、月額(または年額)にする
書き出したい主な項目
- 指導者へのお礼(謝金):1回あたりの金額 × 人数 × 1年間の活動回数
- 施設の利用料:体育館やグラウンドなどの使用料
- 用具・備品:ボールや楽譜、みんなで使う道具など
- 大会の参加費・交通費
- 保険料:けがや事故に備える保険です。社会教育活動の団体向けには、公益財団法人スポーツ安全協会の「スポーツ安全保険」がよく使われています(参考:スポーツ安全協会「スポーツ安全保険」)
- 事務の費用:連絡や集金のツール利用料、振込手数料、印刷代など
- 予備費:思わぬ出費への備え
30人のクラブで計算してみましょう
分かりやすくするための仮の数字です。
| 項目 | 内訳 | 1年間の金額 |
|---|---|---|
| 指導者へのお礼 | 3,000円 × 2人 × 45回 | 270,000円 |
| 施設の利用料 | 1年分 | 60,000円 |
| 用具・備品 | ボールなど | 40,000円 |
| 大会の参加費・交通費 | 年3大会ほど | 50,000円 |
| 事務の費用 | ツール利用料・振込手数料など | 30,000円 |
| かかるお金の合計 | 450,000円 | |
| 補助金など | 自治体からの補助(仮) | −120,000円 |
| 会費で集める金額 | 330,000円 |
330,000円 ÷ 30人 = 1人あたり年11,000円。月に直すと約917円です。月1,000円にすれば、少し余裕をもって運営できます。
この計算表は、そのまま説明会の資料に
金額の理由が見えると、保護者の方の受け止め方が変わります。「高い」ではなく「なるほど」と言ってもらえる資料になります。保険料は、会費とは別に年1回まとめて集めるクラブも多いです。
払い方のかたちを決める
| かたち | 向いているクラブ | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 毎月払い(月会費) | 毎月同じように活動するクラブ | 毎月の集金と確認に手間がかかる |
| 1年分まとめ払い(年会費) | 1年間の費用が読みやすいクラブ | 途中の入会・退会の扱いを決めておく |
| 入会金 + 月会費 | 最初に道具をそろえるクラブ | 入会金を返すかどうかを決めておく |
| その都度払い | 参加が不定期な活動 | 収入が読みにくく、予算を立てにくい |
どのかたちでも、支払いの期日・途中で入会、退会したときの扱い・返金するかどうかの3つは、規約に書いておきましょう。あとで「聞いていない」とならないための、いちばんの予防策です。
集め方で、担当者の負担は大きく変わる
金額が決まったら、次は「どう集めるか」です。ここで、担当の方の1年間の苦労が決まるといっても言いすぎではありません。
こんな場面、ありませんか?
月末、通帳を片手に「この3,000円、誰の分だっけ…」。振込名義が保護者のお名前で、お子さんの名前と結びつかない。確認の連絡をしたら、すでに払っていた。気まずい思いをして、また1時間かかった。
集め方ごとに、運営する側の手間を比べてみます。
| 集め方 | 運営する側 | 保護者の方 | 入金の確認 |
|---|---|---|---|
| 現金で手渡し | 受け取り・保管・記録がすべて手作業 | おつりのいらない現金を用意する | 受け取り表で管理。書き忘れが心配 |
| 銀行振込 | 通帳を見て1件ずつ照らし合わせる | 振込の手間と手数料がかかる | 振込名義から誰の分かを探す必要がある |
| 口座振替(自動引き落とし) | 毎月の集金は自動になる | 最初に申込書を書くだけ | 始めるとき、契約や手続きが必要 |
| オンライン決済(カードなど) | 入金が自動で記録される | スマホから支払える | 決済手数料がかかる |
会費は「団体名義」で管理しましょう
担当の方が替わったとき、個人名義の口座や手書きのノートで管理していると、引き継ぎが大変になり、トラブルのもとになります。会費はクラブ(団体)名義の口座で管理し、「誰が担当でも続けられる形」にしておきましょう。
未払いを防ぐ4つのコツ
- 年度のはじめに、まとめてお知らせする
1年間の請求の予定と期日を、最初に一度にお伝えします。 - 催促は「仕組み」におまかせする
一人ひとりに声をかけるのは、お互いに気まずいもの。期日の前後に案内が届く仕組みなら、気持ちの負担がぐっと減ります。 - ほかの保護者に分からない形で連絡する
グループでの「〇〇さんがまだです」は避けましょう。 - 相談できる窓口をつくる
支払いが難しいご家庭のために、分割や減額の相談先と、自治体の補助の案内を用意しておくと安心です。
手作業から Clan に移すと、何が変わる?
ここまで読んで、「大変そう」と感じた方もいるかもしれません。そんな「集める・確かめる・催促する」の作業を、まとめて引き受けるのが、団体運営アプリ「Clan(クラン)」です。
今までのやり方と、Clan に移したあとを並べてみます。
| 今までのやり方(手作業) | Clan に移すと | |
|---|---|---|
| 入金の確認 | 通帳や受け取り表を、1件ずつ照らし合わせる | カードや銀行振込で払われると、自動で記録される |
| 現金で受け取った分 | ノートやExcelに書く | Clan にも記録でき、ほかの入金と一緒に集計される |
| 未払いの催促 | 担当者が一人ひとりに声をかける | まだの方にだけ、LINEやメールでお知らせが届く |
| 保護者の払い方 | 現金や振込。振込手数料は保護者の負担 | スマホからカードや銀行振込。支払額に手数料は上乗せされない |
| 担当が替わるとき | 通帳・ノート・Excelを引き継ぐ | 管理の権限を移すだけで、名簿も会費の記録も、そのまま引き継げる |
手数料はクラブ側の負担です
決済手数料は、カード3.6%、銀行振込1.5%(いずれも別途消費税)。たとえば月1,000円の会費をカードで払うと、手数料は約36円です。保護者の方の支払額には上乗せされません。この手数料は、会費の計算(先ほどの「事務の費用」)に入れておくと安心です。
最初の一歩は、小さくて大丈夫です
「いきなり全部を変えるのは不安」という方へ。最初の一歩は、これだけです。
- 紙1枚に、1年間にかかるお金を書き出す(今日10分でできます)
- 会費と払い方を決めて、規約に3行書く(期日・途中入退会・返金)
- 集金だけ、まず試してみる
3つめは、Clan なら10名まではフリープラン(月額0円)で、クレジットカードの登録なしで試せます。今のLINEグループや連絡の方法は、そのまま使いながら、会費の集金と記録だけ先に移す、というやり方もできます。
スタンダードプランは、14日間無料でお試しいただけます。まずは、気軽にのぞいてみてください。
集めたあとの「記録」と「報告」は、地域クラブ・団体の会計報告(収支計算書)の作り方で、無料のテンプレートつきでご紹介しています。地域クラブでの使い方は「部活動の地域移行・地域クラブの方へ」もどうぞ。